『吉原十二月』小説 (松井今朝子 著)

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『吉原手引草』の松井今朝子さんの『吉原十二月』。

 

手引草も面白かったけど、こっちも面白かった。

 

両方とも、入り込むまで少しとっつきにくい、語り口なんだけど、いちど入り込むと、ぐいぐい引き込まれた。

 

歌舞伎に造詣の深い作者で、時代の言葉遣い、知識など、いちいちすごいなあと感嘆するのだけど、

 

独特な語り口で少しハードルがあるのは確かなんだけど、

 

それでも、途中から引き込まれるのは、ちょっとスパイス気味に入っているミステリー的な要素がすごく効いてて、

 

淡々とした語り口の中にも、登場人物に寄り添う優しさのようなものと、カタルシスで、はあ、最後まで読んでよかった、と思える。

 

ちょっと癖になりそう…ということで、ただいま『家、家にあらず』を読んでるところ。

 

 

『脳が壊れた』鈴木大介著

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身近で脳梗塞で倒れた人のことを、少しでも理解しようと手に取る。

 

ルポライター鈴木大介さんが、脳梗塞で倒れたあとの体験談を綴った本なんだけど、

 

こういう状態で自身の体験を書いたものって、読んだことなかったので、

 

そういうことが起こるのか。。驚きと共に、いやあ、これはつらいだろうな。。

 

でも、それを面白おかしく書かれてて、笑いながら読んだ。

 

この方の奥さんが元々、発達障害だったのだけど、その奥さんこそが、著者の一番の理解者となっているのが、

 

そのくだりに、思わず涙が出た。

 

ということで、現在、脳は回復する、を読んでいる途中。

 

 

『ビタミンF』(重松清 著)

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なんとなくこういう話なんだろうな、と先入観を持って読み始めるんだけど、

たしかにそういう感じなんだけど、

でも、やっぱり、安定感の中にも、それを超える驚きがあるんだよな。

 

『せっちゃん』という話と、『母帰る』(ちょっとタイトルうろ覚え)が、特に心に響いた。

 

 

『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ 著)

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カズオ・イシグロ原作の映画『日の名残り』が大好き。

 

NHKの白熱教室のカズオ・イシグロのイ講演をテレビで見て、がぜん興味をもった。

 

『忘れられた巨人』

 

出だし、老夫婦の設定に引かれたけど、ちょっとアーサー王の時代の設定にいまいちは入れ込めなかった。。

 

忘却するからこそ保たれる平穏もあるよな。。

 

あざらしは、昔のことを記憶しすぎていて、ふとした折に、怒りがとめどもなく湧いて出て、不毛な時間を費やして、しんどくなることがよくあって。。。

 

忘れられたらどんなにラクか…。

 

 

『白墨人形』(小説)

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スティーブンキングの『IT 』や『スタンドバイミー』と似た雰囲気があるけど、ずっとプロットが複雑。

 

事件の本筋や直接関係してるもの、実はそうでなかったり、ミステリーファンを惹き付けるには、ここまで入り組んだ話にしないといけないのね。これ書くの大変だ。。作家さんの大変さを思い、遠い目。。

 

ミステリー読むぞプロジェクト、数年越しの44冊目。。もっと読まねば。

 

 

『浮世の画家』(カズオ・イシグロ)

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ノーベル賞作家・カズオ・イシグロの初期の作品『浮世の画家』を読む。

 

戦争に加担した作風で尊敬を受けていたが、終戦を迎えたことで真逆の評価になってしまった画家の話。

 

それが、小津安二郎映画みたいな感じで進んで行くのが、意外でした。

 

「独善」を批判する主人公の画家、本人が自覚していないんだけど、実はすごく独善的というキャラクターがよくできてる。

 

映画「日の名残り」のアンソニー・ホプキンスのキャラは、既にここに現れていたのだなあ。

 

 

 

『オリンピア−ナチスの森で』(沢木耕太郎 著)

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ナチスドイツ政権下で開催されたベルリンオリンピックの記録映画を監督したことで、プロパガンダ映画に加担したと戦後批判を受けたレニ・リフェンシュタール(インタビュー時では90歳くらい)へのインタビューから始まり、

 

ベルリンオリンピックに出場した選手たちの、当時の様子やその後などの文章を交えながらのノンフィクションなんだけど、

 

これがすごくおもしろかった。

 

特に、レニのインタビュー。

 

製作当初は、世界中でその芸術価値から評価を受けたのに、戦後はナチスドイツのプロパガンダに加担したということで、人生が180度変わってしまうのだけど、当時の映像へのこだわりとか、ドキュメント映像なのに、棒高跳びの競技が夜になって撮影できなかったので、後日、再現をしてもらって撮ったフィルムも、混じっていたり、などのエピソードがめちゃくちゃ面白かった。

 

あとは、力を発揮できた日本人選手、そうでなかった日本人選手などのその時の心境なども書かれていて興味深い。

 

当時は、おそらく下関まで鉄道で行って、船で大陸に渡って、そこからシベリア鉄道でベルリンに入っていたんだね。。

何か月もかかるから調整するの大変だったろうな。

 

 

『9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学』(本)

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ここ二週間、夢中になって読んだ。

 

いつもなら息抜きに、スマホでネットニュースみたり、Twitter覗いたりするんだけど、どんどん読み進めた。

 

大江千里。 昔、よく聞いた名前でした。一時代を築いたシンガーソングライター。

 

何年か前、斉藤由貴映画祭の上演ラインナップで、『君はボクを好きになる』が入っていて、見たんだけど、役者さんとして出られてました。それほど人気あったのだと思います。

 

とはいえ…個人的には、大江千里の歌を直接よく聴いてたわけてわけではなく。。。

 

むしろ、印象に残ってたのは、渡辺美里のデビューアルバム『eyes』 にはいっていた『悲しいボーイフレンド』。

当時、すごくいい曲だなあ、と思って見たら、大江千里作詞、作曲でした。それで記憶に焼き付いたのでした。

 

(Eyesは、まだ、渡辺美里がブレイクする前でデビューしたてだったんだけど、このアルバムがめちゃくちゃ気に入って何回も聴いてた。当時は知らずに聴いてたけど、若かりし日の、岡村靖幸、小室哲哉が楽曲提供していた、というのを、最近知りました。。なぜか渡辺美里熱は、最初のアルバムだけで冷めてしまったんだけど。。)

 

その後、長い間、大江千里さんの名は、意識に入ってこなかった。『モテキ』の漫画とドラマを見るまでは。

大江千里の『格好悪い振られ方』という曲をエピソードがありましたね。

懐かしいなあ、と思ったけど、またしばらく途切れました。

 

最近、Twitterで流れてくる記事で大江千里さんの名前を目にするようになりました。

『ブルックリンでジャズを耕す』という本を出したとかで。東洋経済新報の記事でインタビュー見ました。

音楽というより、ライフシフトという文脈で取り上げられていました。

(厳密にいうなら少しまえに、あざらしが個人的に始めた勉強の文脈で、ちらほら名前を目にするようになっていたんだけど)

 

 

 

 

 

 

 

大江さん、47歳で、ポップスの実績を投げ捨てて、ニューヨークの音楽学校にジャズを学びに留学していたのでした。

『ブルックリンでジャズ』の本は、卒業と同時に、ニューヨークでレーベルを立ち上げ起業した話を中心に書いているらしく、妙に興味をかきたてられ、読みたい!と。 買おうと思ったら、その前に、留学の時の体験記を綴った『9番目の音を探して』という本があることに気づき、それを先読んどこう、となったのでした。

 

『9番目の音を探して』

 

 

超当たり! めちゃくちゃ面白かった。

『のだめカンタービレ』の世界とどこかで紹介されていたけど、映画『セッション』の世界。

 

 

音楽については門外漢なんだけど、英語が第二外国語というハンデの中での、先生とのやりとりや、クラスの中でバンドを組む際のクラスメイトたちとのやりとりが、自分の過去の体験ともろかぶりで、自分のことのように読んだ。

 

20代の生徒たちに混じって、苦労するさまには心打たれます。心が熱くなる。

長年ポップスで染み付いた癖が、ジャズを演奏する上で邪魔するらしく。他のクラスメイトとかに、この中にジャズになってないやつがいる、なんて言われたり。。無視されたり。。それでも、大江さんは、プライドを捨てて食いついていく。。

気の合う仲間や共感する仲間を見つけて、やっていくもがいている姿に、じわーっと来る。

大江さんの視点が優しい。もちろん嫌なやつもいるけど、出会う仲間もみんな魅力的。

ジャズをもっと知りたくなる。

 

ほんとに読ませる。すごい文章力。途中何回か泣いてしまった。。

本の魅力を上手く伝えられないのが悔しいけど、創作を志す人にとっても、すごく考えさせられ、勇気をもらえる。

とはいえ、単純に歯を食いしばって頑張りました的なものではなく、大江さんの、昔のように単にガムシャラだけでなく、第二の人生を自分のペースで歩んでいこうと、再構成していこうとする様が、人生の折り返しすぎたライフシフトという観点でもすごく示唆的でした。だから、東洋経済新報の記事が心にひっかかったんだなと思います。

 

追記:

自分が知らなかっただけで、『9番目の音を探して』って、これまで5刷を数えるヒットだったようです。

アマゾンのレビューも、二十人ほどの人がすべて満点だし。あざらしも、文句なし、五つ星でした。

ボリュームはあるけど内容はめちゃくちゃ濃い。

 

次は『ブルックリンでジャズを耕す』読み始めます。

 

『希望荘』宮部みゆき著(小説)

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『名もなき毒』『ペテロの葬列』などのシリーズ最新作。

 

これまでのも強烈に面白いけど、これもまた、短編だけと読み応えあるなあ。

 

こんなの書けるのすごいな、ほんと人間の奥底に潜む闇とか、弱さ、怖さ、洞察力がすごいし。。

 

一つ一つの話が、どこに向かうのか。。

 

予測つかない感じだけど、ちっとも奇をてらう感じでもなく。

 

よくこんなプロット書けるんだな。すごいなあ。。

 

でも、人間ドラマがしっかりあって。

 

単にお涙頂戴に陥ることもなく。

 

『砂男』の話、悲しいなあ。

 

『希望荘』のドキドキしながら読んだ。

 

あんまりプロットの展開に感心して、友達に勧めてもらって、むかし買った『ミステリーの書き方』を引っ張り出して、

 

宮部みゆきのプロットについてのインタビューを読み返そうと思って、本を取り出した。

 

けど、プロット分析の題材の本が、『魔術のささやき』という本でまだ読んでいないので。

 

どうせならそれ読んでからにしようと思う。

 

これで、ミステリー読むぞプロジェクト、数年越しの43冊目。。42冊目割愛。

 

 

 

 

『虎の牙』(小説)

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武田信玄一代前の、甲斐の国を舞台設定にしたところが面白いし、

 

信玄の父、信虎の謎の弟(山の民として育てられた)と、別の国で罪を犯して流れ着いた信胤が、『呪い』を背負いながら、信虎を支えていく、という話。

 

山の民として育てられたところから突然、武士になって、というキャラクターが新鮮。

 

ちょっと粗削りな感じがしないでもないけど、合戦シーンが迫力あって、引き込まれる。

 

作家さんの次回作とか読んでみたい。

 

 

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