『浮世の画家』(カズオ・イシグロ)
05/01Tue
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JUGEMテーマ:読書感想文
ノーベル賞作家・カズオ・イシグロの初期の作品『浮世の画家』を読む。
戦争に加担した作風で尊敬を受けていたが、終戦を迎えたことで真逆の評価になってしまった画家の話。
それが、小津安二郎映画みたいな感じで進んで行くのが、意外でした。
「独善」を批判する主人公の画家、本人が自覚していないんだけど、実はすごく独善的というキャラクターがよくできてる。
映画「日の名残り」のアンソニー・ホプキンスのキャラは、既にここに現れていたのだなあ。
デビュー作もそうですが、幼いころの数年の記憶を
実に鮮やかに見事に描いているなぁと、読後にものすごく
びっくりしました。
翻訳もうまいんだろうけど、それだけじゃないですよね。